あらばるの矯正日記

歯列矯正のこととか

悲しいかな、食への執着

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ちもち。正しくは血餅(けっぺい)。それはあまりにも脆く、儚く、抜歯後の私が命懸けで守護(まも)らなければならない存在である。食への執着に負けて乱暴な飲食を繰り返したり、あるいは単に運が悪かったりして守護りきれなかった場合、抜歯後の数週間で待ち受けるのは地獄の痛みだ。

 

ドライソケットの悪魔

抜歯後しばらくの間、抜歯跡に血餅と呼ばれる血の塊が穴に蓋をする。これが非常に脆く、形成途中で血を吸う、食事の時に舌でさらう、歯磨き等してしまうとすぐに剥がれてしまう。血餅が自然と無くなるまで守りきれずに途中で剥がれてしまった場合、抜歯跡の骨がむき出しの『ドライソケット』と呼ばれる状態がやってくる。これが本当に恐ろしい。

こうなると、息を吸うだけで骨に直接空気が触れるので死ぬほど痛い。飲食なんてもってのほかで、痛み止めを飲んでも夜眠れないくらいの痛みがしばらく続くらしい。SNSで『ドライソケット』と調べると、数多の人の恐怖や痛みが感じられる。チェン◯ーマンの世界には絶対『ドライソケットの悪魔』がいると思う。全ての感覚に敏感になり、痛みを感じさせる悪魔。そのくらい恐ろしいのだ。

 

ドライソケットからの逃亡

抜歯から自然に抜歯跡が治ってくる約1週間の間、とにかく血餅を保全すること。これが我々にできる唯一の防衛である。先生からは麻酔が切れるまでは飲食しない方が良いですね〜とだけ言われ、注意どころかドライソケットのドの字も無かった。そしてそれを間に受けたノーテンキな私は、1本目の抜歯3時間後に早速細かく切った焼きそばを食べた。これが直接関係しているかは分からないが、1本目の抜歯跡の治りは悪く、かろうじてドライソケットにはならなかったものの恐怖の日々を過ごす羽目になった。

正直、血餅を守るには飲食をしないことが一番である。2本目以降は抜歯して12時間は飲食を我慢するようにしている。しかし点滴でも連れ歩かない限り、それ以降は口から食べ物を摂り入れるしかない。でもまだ傷が痛い。じゃあ何を食べるか。現在に至るまで、試行錯誤の日々が続いている。以下に、いくつか試した中で比較的食べやすいものを紹介する。

 

最近食べているものたち

▫️豆腐

マジで感謝〜、ソイ!飲むように食べられるので、ついシャンランランラしてしまうくらいに日頃お世話になっている。特に相模屋食品の『おだしやっこ』シリーズ。1食200円で300gの豆腐が難なく食べられて、たんぱく質も16gと申し分なし。近所のスーパーで安いところを見つけたので、最近の職場ランチはもっぱらこれを主食にしている。

▫️野菜ジュースやプロテイン

歯列矯正を初めてからというものの、歯や器具に挟まるやら噛みきれないやらでとにかく緑黄色系の葉物の野菜が食べられなくなった。しかしどうにかビタミンは摂りたい。ということで半ば気休めであるが、朝はプロテインを、昼は野菜ジュースを飲んでいる。トレーニングしている訳でも無いし正直意味があるのかは分からないが、飲まないよりはマシだと思っている。

▫️柔らかいパンまたはお粥

フレンチトーストや蒸しパンのような柔らかめのパンであれば、どうにか食べられることがわかってきた。今まではご飯派だったのだが米粒は挟まったり穴に入ったりするので、最近はパン食が多い。お粥レベルに細かくすればお米も食べられるので、家での食事など時間がある時はお粥に山海ぶし(練り梅おかかを和えたペースト)を入れたりしている。

▫️ヨーグルト

最初の頃はたんぱく質摂取のためにオイコスを食べていた。しかし、あのもっちりした感じが血餅もくっつけてそのまま攫っていってしまいそうだったので、最近は普通のさっぱりしたヨーグルト(Bifixが好き)にバナナを入れて食べたりしている。

▫️サプリ

正直、サプリだけで必要な栄養素全てとれないかな、というのが一番の感想である。野菜不足を補うためのマルチビタミン&ミネラル、あと傷の治りや口内環境の維持のためのビタミンB2B6を飲んでいるが、これも野菜ジュースと一緒で効果があるのかはよく分からない。

▫️スイーツ系インスタントラテ

甘いものが食べたい!しかしクッキーなどは御法度。とりあえず液体で甘味が取れるように、ネスカフェの『ふわラテ』シリーズを買い込んだ。それでも足りなかったり、歯の調子が良い時はお饅頭系なら食べられることがわかった。もみじ饅頭が柔らかくて美味しい。

 

悲しいかな、食への執着

今回の記事の長さからも、いかに私が食べることが好きか、そしてどんなに歯が痛くても『何なら食べられるか』に執着していることがお分かりいただけたかと思う。本当は『食べない』ことが一番効果的なのも分かっている。矯正ついでにダイエットできれば一石二鳥だが、食事をストレス解消やコミュニケーションツールにしているタイプの人間(つまり私)には、まだまだ辛い日々が続くだろう。